なぜ、薬学部の入学志願者は減少しているのか?

薬学部の人気

ここ5年程、薬学部の人気が低迷しているといいます。

資格取得系の学問の人気は、世の中の景気に左右されがちです。

不景気の時は、食いっぱぐれのない士業(さむらいぎょう)が人気になります。

逆に景気がいい時は、就職の心配はないので、士業は人気が落ちます。

少子化の影響で薬剤師の供給過剰が懸念されており、文部科学省は2025年度以降、薬学部の新設や定員増を認めない方針を決定しました。

薬学部は2014年の12万1431人をビークに減少傾向が続く。私立大学全体の入学者数が2020年に始まるコロナ禍まで増加していることと比べると、受験生が薬学部を避け、別の学部を選ぶ傾向が進んでいることが見て取れる。これに伴い、入学定員の充足率が2019年から2021年までの3カ年平均で80%以下になった大学は約3割に達した。

https://toyokeizai.net/articles/-/737821?display=b

上記、東洋経済の記事を要約しながら、解説していきます。

志願者数の減少

2023年度の私立薬科大学の入学志願者数は7万4826人で、前年に比べて1799人減少しました。私立大学では志願者数の減少が顕著です。

過去の人気

薬学部はかつて受験生に人気があり、2013年から2017年には入学志願者数が10万人を超えていました。

リーマン・ショックの影響

2008年のリーマン・ショック後の就職難を背景に、薬剤師への人気が高まりました。

薬学部人気の変動

2014年に12万1431人のピークを迎えた後、薬学部への入学志願者数は減少傾向にあります。2019年から2021年までの3カ年平均で、入学定員の充足率が80%以下の大学が約3割に達しました。

薬学部の新設継続

一方で、2003年から2008年の間に28学部が新設され、2018年から2021年の間にさらに5学部が増え、現在は77大学79学部となっています。

今後の展望

2024年4月には順天堂大学と国際医療福祉大学成田キャンパスで新たな薬学部が開設され、学部間の競争はさらに激しくなると予想されます。

明治薬科大学も2024年度から6年制300人定員が360人に増員されています。

特に千葉県は順天堂と国際医療福祉大学成田で一気に激戦区になります。

東京理科大学の薬学部・薬学研究科は2025年4月、千葉県野田から東京都葛飾キャンパスへ移転しますね。

学生争奪戦と国試合格率

薬学部は薬剤師国家試験の合格率向上に注力しており、特に「ストレート合格率」が受験生や保護者へのアピールポイントとなっています。

日本薬科大学の都築稔先生は、ストレート合格率と入学志願者数の相関関係に疑問を投げかけ、合格率に固執することが薬学部の未来にとってマイナスであると主張しています。都築先生は、薬学部生の多様な就職先や新たな活躍の場の確保を重視しています。
2023年3月に卒業した薬学部生は9629人で、その大半が保険薬局、ドラッグストアの調剤部門、医療機関に就職していることが明らかになっています。
都築先生は、学生が多様な他者と交流することで新しい視点を持つことが重要だと述べています。

https://toyokeizai.net/articles/-/737821?display=b

起業への道

2017年卒の高林拓也氏と保田浩文氏は、ドラッグストア勤務を経て、オンライン薬剤師サービス「HealthCareGate」を設立しました。

このサービスは、在宅医療の現場と薬剤師をオンラインでつなぎ、医師の負担を減らすことを目的としています。

起業は極端な例ですが、薬学+ITなど薬学+○○が大事ですね。

薬膳ラーメンの提案: 学生や教員が薬膳や生薬学の知識を活かし、ハッカや菊の花を使ったラーメンを開発。1000円で販売し、メディアで取り上げられ好評を博しました。

連携協定の背景: 地域活性化やマーケティング、人材確保、CSRなどの目的で、学生たちは医療や健康の知識を活用して付加価値を生む取り組みをしています。

星薬科大学は公務員への就職率が高く、また、自衛隊や麻薬取締官になる学生もいます。

薬学部が“選ばれる学部”になるためには、新たな活躍の場を開拓し、魅力的な学部であり続ける必要があります。

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